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2012年9月15日 (土)

大地の芸術祭

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新潟県の越後妻有にて、三年に一度開催されるアートトリエンナーレ「大地の芸術祭」での一人旅。

たくさんのアート作品、そして豊かな自然に触れられたのはもちろんのこと、行く先々で出会った人たちの親切と優しさに、大きな感動を覚えた旅でした。

まずは旅の初日。

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いきなりバスを乗り間違えた挙句、「ずどーん!ずどどどーん!」と、まるで花火のように轟く雷雨の中で、笑えないほど道に迷ってしまい、仕方なく見知らぬ民家の軒先に逃げ込み、雨宿りしていたところ、すぐ傍に車を停め、「どうしたの?」とお声を掛けてくださった方がおりました。

「実は…」と事情をお話ししたところ、笑顔で「じゃあ乗せてってあげる!」と、アート作品の「再構築」「日本に向けて北を定めよ」「たくさんの失われた窓のために」の三作品を案内してくださり、さらに「良かったら食べて!」と川越土産のまんじゅうまで分け与えてくださったのが、地元の塗装屋の奥様、福島さん。

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ちなみに僕が雨宿りをしていた軒先は、福島さんのご親戚のお宅だったそうです。

川越でのお土産を渡しにいらしたところだったんですって。

そしてこれは、各作品を案内してくださったあとに、「実はね…」と照れながら教えてくださったことなのですが、「日本に向けて北を定めよ」と「たくさんの失われた窓のために」の塗装は、なんと、福島さんのご主人の会社がご担当されたそうです。

きっと、ご主人がされたお仕事が誇らしかったのですね。

せめてものお礼にと、間違えて二つ購入してしまった、芸術祭の作品鑑賞パスポートをプレゼントさせて頂きました。

地元に住んでらしても、芸術祭の作品を見たことはなかったそうで、「もらっていいの?ありがとう!見るね!」と、とても喜んでくださいました。

お茶目で朗らかで、奇遇にも、僕の母親と同い年の福島さん。

息子さんが、東京の中野にいらっしゃるとのことなので、もしかしたら東京で再会できるかもしれません。

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福島さんとは、ご親切にも送り届けてくださった「キナーレ」の玄関にて、固く握手をして、お別れしました。

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次に、「キナーレ」の玄関で空腹の僕に、「もらい物ですけど良かったら」と、焼きそばを分け与えてくださったのが、「絶対交換会」の中村未歩さん。

ユニーク且つ独特なトーンで、効率の良い作品の周り方を、丁寧に教えてくださいました。

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その中村さんの作品である「絶対交換会」では、前の方のポスカと、自分の持っていた柿の種を交換。

あの柿の種は、どんな人が何と交換したのかな。

東京在住だという中村さん、奇遇にも僕と同い歳でした。

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さて、二日目はツアーバスに参加。

朝から夕方までの半日を掛けて、「家の記憶」「最後の教室」「夢の家」「森の学校キョロロ」「オーストラリアハウス」「農舞台」などを巡りました。

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ツアーの参加者は25名ほどで、まさに老若男女、北海道から九州まで、皆さん、様々な土地からいらしていて、作品の感想を話し合ったり、一緒に食事をしたり、写真を撮り合ったりと、仲良く半日を過ごさせて頂きました。

夕方からは単独行動。

ツアーの中に含まれていなかった、「農舞台」の奥にある作品も鑑賞したくて、山道をずんずんと登ってみたのですが、方向音痴なのかドジなのか、それとも両方なのか、またもや道に迷ってしまいました。

一人っきりで道に迷うと、泣きそうになります。

まもなく辺りが暗くなる、山道でこれ以上は危険だと本能が察知し、「農舞台」へと引き返すことにしました。

で、無事に帰還したとたん、またもや土砂降り。

まったく、山の天気は侮れません。

と、なんだか散々な感じですけど、ひとつ素敵なことが。

人生で一番といっても過言ではないほど、大きく架かった虹を見たのです。

感動したあまり、周りの見知らぬ人たちにも「虹ですよ!」と、思わず話し掛けてしましました。

しかし周りの人たち、「ね!大きいですよねー!」って、すでに気づいてて、ちょっと恥ずかしかった。

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そして、最終日の三日目。

土日しかバスが無いことを知らずに、まつだい駅のバス停前で立ち往生して困っていたところ、「わざわざ東京から来たんなら」と、今まさに吸おうと取り出していた煙草をしまい、「脱皮する家」の近くまで車で連れて行ってくださったのが、地元のおじいちゃん。

お名前は、わからず仕舞い。

「良かったら」とお名前を伺ったのですが、「いいよ、名前なんて」と、照れて教えてくださらなかったのです。

今年の三月までの一年間、介護していた奥様が亡くなられるまで、娘さんがいらっしゃる東京のスカイツリー近くに住まわれていたそうです。

小柄で、朴訥ながらも優し気に語る、その横顔が印象的でした。

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親切なおじいちゃんとお別れしたその直後、「脱皮する家」の手前で出会い、その後の「コロッケハウス」「星峠の棚田」「絵本と木の実の美術館」「光の館」「キナーレ」と、ずっと銀色のアウディに乗せてご一緒させてくださったのが、大阪の旅人、山東さん。

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山東さん写真集。

ずっと旅行会社にお勤めだったそうで、二十代の頃には東京にも住まわれていたとのこと。

「ほら、あの作品も撮ったほうがええよ」と工事用のショベルカーを指して笑ったり、「なんか松本くんとは何年も前から知ってる友達って感じがするわ」なんておっしゃってくださったり、奇遇にも僕の父親と同い年だったり。

気さくで話上手で、iPhoneやiPadも使いこなす、とても若々しい方でした。

今回の越後妻有の前は九州で、次は長野に行くっておっしゃってたけど、無事に旅を楽しんでるかな。

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その山東さんと出会った「脱皮する家」で、甘いプチトマトをくれたり、山東さんとの写真を撮ってくれたのは、日本大学芸術学部彫刻コースの学生さんたち。

ちなみに「脱皮する家」は、木造の空き家の内装を少しも余すことなく彫刻刀で細かく削った作品。

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相当の根気が必要なあの作品は、大学生の若さがないとできないと思う。

床や壁や天井はもちろん、ちゃぶ台や下駄まで丹念に、徹底的に削られており、圧倒されました。

あと足の裏の感触、心地良かったです。

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次に出会ったのが、「絵本と木の実の美術館」の近くにお住まいで、作品の展示場所や蜜柑のお祭りについて教えてくださった地元のおばあちゃん。

実は、アート作品が展示されてると勘違いして、山東さんと二人で覗いてしまった、一般の民家の方でした。

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おばあちゃんと山東さんと、三人で楽しい時間が過ごせました。

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そして最後。

夕暮れの十日町駅のホームにて。

様々な出会いと別れの感傷に浸りながら、帰りの電車を待っていた僕。

そんな僕の風上のすぐ隣に立ち、今回の旅を締め括ってくださったのが、見ず知らずの中年男性でありました。

「ぶぶぶう…」と真顔で放屁されたのです。

声に出して笑った。

「自分に酔ってんじゃねえぞ」

そんなメッセージを、浴びた屁に感じたとか、感じなかったとか。

臭かったとか。

といったわけで、越後妻有での「大地の芸術祭」を巡る一人旅。

時に孤独で、しかし豊かな時間を、素敵な人たちと過ごせました。

一人旅だったけれど、一人ではなかった。

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